2020/04/29

朝日新聞「遠隔授業 取り組みは」(2020.4.21)

ふむふむ。自分個人については、大学からも十分に情報は提供されているし、有志で試運転を何度も行う機会に恵まれたので(良い同僚を持つことは幸せへの近道であることを実感)、自分の授業は「身の丈」でいけば何とかなりそうに思える。予想外の事態に対応できるか不安は残るけれども。

で、朝日新聞。中学や高校での実践例が紹介されていて興味深い。考えて見れば、学校数・生徒数どちらを見ても大学などより小中高のほうがずっと多いわけで、後者の実践について新聞でレポートするのは自然なことだ。記事では「オンライン授業の主な事例」として5通り紹介されている。これは大学で回ってきた、Webexを「公式アプリ」としつつも他の手段を組み合わせて、という説明の具体例と言える。朝日の記事では:

  1. オンライン会議型
  2. 動画+やりとり型
  3. 動画配信型
  4. 課題やりとり型
  5. 民間オンライン学習活用型

というタイプ分けになっている。1つ目が大学で想定されているやり方だ。2つ目は予め用意した素材を試聴してもらい、それを元にリアルタイムの授業というやり方。3つ目はリアルタイムの対話なしで動画配信オンリーのやり方。いつでも視聴できるようにすれば、すなわちオンデマンド方式ということになる(これは予備校で活用している方式だと想像)。4つ目はITを使ってはいるが、やり方は昔ながらの「通信教育」で、郵便を使うかネットを使うかの違い。5つ目は方式というよりはリソースの選択の違いで、2つ目と3つ目に通じる。

自分の授業に即して考えると、1つ目を基本としつつ、2つ目と4つ目の要素を入れることになるだろうなと。リアルタイムの発信だけでもよいと思うが、予め授業内容を「本日の要点」みたいな形できっちりとまとめた動画を作っておいて、それを流してから応用的なトークと課題をリアルタイムのやりとりで、というのも良いかもしれない。

4つ目の課題のやりとりはこれまでもメールや大学の授業支援ページでやってきたことなので、ふつうに組み込むことはできるだろう。手渡しである必要はないし。ただ、課題の解説についてはより丁寧な対応が必要になる。

そういえば思いだした。PowerPointのファイルは文字ベースでやれば小さく収まるのだが、カラーの画像や本のページをスキャンしたのを貼り付けると、サイズが一気に大きくなる。自分のPC上で考えなしに美麗な画像をペタペタ貼り付けた後で、いざアップロードしてブラウズして、という時に意外と重くなるので、事前にファイルサイズのチェックをしたり、画像の解像度を落としてから貼り付けたり、という作業は必要かも。

しかし朝日新聞で伝えられる中高での実践は、40〜45分の授業でも時間内に色々な作業を切り替えして、声かけも行って、とある。これを思うと、90分の大学の授業をどう成立させるかはしっかり考えねばならない(一部の大学は105分だが、他人事ながら心配になる)。やはり学生が自発的に動く部分をどう生かすかが重要で、それを模索していくことになるわけだ。

以下は与太話。言語の授業では、興味を持ってもらうためにその言語文化の品物をクラスに持ち込んで紹介することをよくやる。特にお菓子系の食べ物や衣服・アクセサリーは楽しい。遠い遠い昔の話だが、英語、といっても古英語(約1000年前に使われていた英語)の入門授業で、西洋の蜂蜜酒=ミードをふるまった先生がいたとかいなかったとか(真偽は定かでない)。中世の物語などでは、王が臣下にミードを振る舞うという場面があるので、それを感じてもらおうということだったのだろう。今だったら「大学の授業中に」×「未成年を含むクラスで」×「酒を飲ませる」とか、満貫じゃすまない、即ハコテンw 英国文化のノリで真面目にやるなら紅茶と手作りスコーンあたりだろうか。現状ではそれもできないが、授業の合間に簡単にできるレシピでも紹介できたら面白そうだ。

(こっそり追記:カナダといえばサーモン&カナダといえばメープル。鮭の切り身に小麦粉をまぶしてからバターと少量の塩胡椒でグリルして、メープルシロップをかけると想定外の美味なり。温野菜の付け合わせもおすすめ)

2020/04/28

Taipei (June 2005)





台北に行った。とはいえ学会で市街地から離れたところに滞在したので、それほど面白い写真もとれなかった。一つ目の写真は仕事で泊まった施設の庭にあったオブジェ。「太極」という題名で、構えもそれらしい。その次の写真は「夜市」。日本の「お祭り」の大規模なものっぽいのだが、これが毎日ずっとだからね。すごい熱気だった(要するに暑苦しいわけだが)。日本モノも色々流入している。夜市では、中国茶を土産に買った。けっこうな散財だったが、濃く出したプーアル茶の独特の臭みはくせになる。アニメキャラのフィギュア類を囲む好朋友にも笑った。しかし、マンマ日本語のガチャポンやらトレカが置いてあったりしたから、日本直輸入かしらん。


あと、故宮博物館にも行った。現在、改修中とて、コレクションのほんの一部しか展示されていなかったが、何千年前の祭祀道具とか見ると、感慨は深い。もっとも、ものによっては、今でもアクセサリーとして通用しそうである。そう言えば、前に他のところで古代ローマ時代(2000年前)の装飾具を見たが、その時も指輪や首飾りなど、自分のようにそっち方面に趣味のない人間からすると、「現代と同じやん」と思った。

宿舎ではケーブルTVが入っていて、日本の番組もやっていた。ちらりとだけ街中のCDショップをのぞくと、予想どおり日本もののコーナーがあった。中身は日本と同じだが、ジャケットだけ中国語、すなわち全部漢字。故に浜崎あゆみは「浜崎歩」となり(適当でもとにかく漢字をあてる)、タッキーは単に「滝」になっていて、ちと脱力。ちなみにモーニング娘は「早安少女組」である。「早安」は中国語で「おはよう」ですな。これは何となく可愛い。



クレジットカードのパンフには、日本と同じく人気キャラがカードに描かれている。んで、そうですか、鉄腕アトムが「原子小金剛」ですか(微笑)。別のページで紹介されているウランちゃんが「小蘭」つーのは芸が細かい。ちなみにコバルト兄さんはいなかった。あと、何か話のタネはないかと思い、帰り際にホビー誌を買った。もっと濃い、萌え系のやつやら、同人誌っぽいやつやら、置いてあったのだが、今回はやめといた。ちなみに、モビルスーツのお名前をファーストガンダムに限って列挙すると、鋼弾、薩克、徳姆、亞凱、傑爾古格、古夫。ちなみに、三倍速の赤い人は「夏亞」であった。同じ中国語でも、大陸版は違うかも。

かくもはかなきワッショイ

御輿をかつぐときのかけ声、「ワッショイ」でなく「ソイヤ」が聞かれるようになったのっていつごろだろう?

関東の話。ちなみに。もっと言えば東京。そこしら知らない。

今もそれなりに混在しているのだろうけど、昔はたぶん「ソイヤ」は絶無だった。現時点で五分五分であったとしても、たいそうな食い込みぶりである。私だって、オヤジではあるけど90歳の老人てーわけじゃない。漠然とした感覚だが、昭和から平成に入るあたりが境目なのではないだろうか。原因というか引き金になったイベントは...わかりませんな。

まあ、江戸のころの記録とか、調べてみないとわからないけど、100年やそこらは「ワッショイ」だったのではなかろうか、と仮定してみる(ソースはないので、あくまで仮定。しかしうちの親やまわりの年長者はワッショイ以外は知らない)。

この仮定が正しいとすると、100年以上の伝統が、たかだか10年か20年で潰れたことになる。前もSNSで書いたような気がするけど、文化や習慣とはいかにアッという間に形をなくしてしまうことか。一世代継承されなかったら、それで終わり。

ちなみに、うちの地元では、お祭りは昔は日にちが決まっていたのだが、最近は人が集まらないという理由で、「9月の第x土曜・日曜」なんてことになった。縁日の「縁」のありようも変わっていく。

もちろん、反面では東京文化に毒されて形を変えてしまった伝統も多かろう。だから、なにものかを糾弾するつもりはない。ま、「繰り言」という年寄りの特権を行使しているということで(笑

そりゃそうと、他の地域はどうなんでしょ? >みなさま



[某氏からのレス]
私、「そいや」というかけ声が嫌いなんですよ。
なんか、田舎くさくて。w
うちは神田明神の氏子(といっても、祖父の家もなくなりすっかり縁がなくなってしまいましたが)でして、子供のころ「わっしょい、わっしょい」と子供神輿をかついでました。
神田明神は都市化で町会が壊滅的なんで、担ぎ手をよその神輿マニアに頼ってる状態なんですよね。
で、彼らはそれがかっこいいと思っているのか「そいや、そいや」ってかけ声でかつぐんです。
東京で「わっしょい」と正しくかついでるのは今や深川八幡くらいでしょうか。(´・ω・`)トホホ

(初出:May 2009)

オンライン名画コスプレ大会 in ロシア

最初に言い訳。ヒマじゃない、ヒマじゃないんだ。英語のリーディングのネタ探しをしていたんだ。New York Timesなんだからねっ!

Bored Russians Posted Silly Art Parodies. The World Has Joined In
(制限がかかって全文読めない場合はご容赦)

クラナッハは大好きな絵師なんで、元ネタがすぐわかったが、他のも元ネタが何であれ笑える。特にモディリアーニは秀逸。名画のコスプレかぁ...自分なら何ができるだろ。まあ仕事が切羽詰まるとしょっちゅう「顔がムンク」状態になるのではあるが。

2020/04/20

認知言語学オンラインリソース

【Martin Hilper'ts YouTube lectures】
認知・機能言語学の分野でネットで見られる動画はどんなのがあるだろう、と調べてみた。が、残念ながら体系的な講義になっているものはあまり見つからなかった。その中で「これは!」というのがMartin Hilpert氏のYouTube動画。下記は個人チャンネルのURL:

https://www.youtube.com/channel/UCaKHle4z5x4ECztKj38qj-A

この中にA Course in Cognitive Linguisticsというシリーズがある(全10本)。1本が20分ちょっとから40分越えのものまで、長さに違いはあるが、テーマごとにまとまっている。他にも、社会言語学、英語史、構文理論と豊富なメニューがそろっている。ぜひぜひチャンネル登録を。Hilpert氏は昨年日本で開催された国際認知言語学会の招待講演者の一人である。若手と言える世代でありながら、研究分野の広さ、研究の水準と分量、すべてにおいて最も注目すべき認知言語学者と言ってよい。



【Vyv Evans' intro essay】
認知言語学の読みやすい紹介はないかと探していたら、Vyv Evansの記事がPsychology Todayというサイトにあった。

https://www.psychologytoday.com/us/blog/language-in-the-mind/201907/what-is-cognitive-linguistics

この記事には他にもリンクがあり、役に立つ。著者は「(日本の)入門授業でこれをどうやって使えと?」と突っ込みたくなるような超分厚い入門書のほか、専門分野の論文も多数出している。



【George Lakoff's cognitive semantics and more】
Lakoff関連の動画はかなりたくさんある。下記の一つ目は1980の本の内容の要点を一般向けに解説したもの。二つ目はLakoff自身による、認知科学全般にわたる本格的な講演。三つ目は政治活動家としてのLakoffを見ることができる。題名からもわかるとおり、強烈な共和党批判者である。とにかく話がうまいので、英語の勉強にもなる。

Metaphors We Live By: George Lakoff and Mark Johnson
(A re-telling of Lakoff & Johnson's pathbreaking 1980 book; short and easy to follow)

The Neuroscience of Language and Thought, Dr. George Lakoff Professor of Linguistics
(From Linus Pauling Memorial Lecture Series)

George Lakoff: Don't Think of an Elephant
(Lakoff as a political activist; note that "elephant" refers to the Republican Party, of which Lakoff is a harsh critic)

【BBC Radio 4 Program (Nov. 25, 2010)】
メタファー研究の歴史は古い(西洋では古代ギリシャから)。BBCの教養番組では興味深いトークがいくつもあって、これはその一つ。In Our Timeをブックマークしてあれこれ聴いてみよう。

A History of Metaphor
(Melvyn Bragg and his guests discuss the history of metaphor - the device of using one thing to describe another.)


血涙を諧謔に変えて


グレッグ・レイク(2016.12.7没)「ゴードンが生き残ったたようだな…」
ボズ・バレル(2006.9.21没)「ククク…奴は四天王の中でも最弱…」
ジョン・ウェットン(2017.1.31没)「人間界ごときに残るとは歴代クリムゾン・ボーカルの面汚しよ…」

おまけ:
エイドリアン・ブリュー「ボ、ボクは?」
マニア一同「アンタは声の出るギター!」

(初出:January 2017)


追記:今年(2020年)に入って、といっても1〜2月は忙しく、もっと最近になって知ったのだが、ビル・リーフリンの訃報を聞いた。現在の編成のクリムゾンでは欠かせない存在で、2015年の来日では手練れのドラミングとキーボードを聴かせてくれた。2018年の来日時はキーボード専任だったのだが、ひょっとすると体調がすでに悪かったのかも、と思うと悲しい。悲報はそれにとどまらず、ニール・パートも今年に入って亡くなったと知って愕然。ラッシュの音源は最近集め直していたのだが、ニールはミュージシャンズ・ミュージシャンの典型のようなドラマーだったと再認識。あらためて深々と、敬愛をこめて、合掌。

さらにこの記事の後に、ゴードン・ハスケルも亡くなった(2020年10月)という報を見た。ついに1969-1974年のヴィンテージ・クリムゾンのベーシスト&ヴォーカルが皆あちら側に行ってしまったことになる。「リザード」にイエスからゲスト参加のジョン・アンダーソンは健在だが、まことtempus fugitを痛感する。ゴードン・ハスケルは歴代ヴォーカルの中では評価の高い方でないが、「リザード」でのキレッキレとは逆の、何と言うか鉛色の狂気を感じさせる歌い回しは実は好きだったりする。


2020/04/17

Tips for...

学生向けの連絡を一部英語で書いていて、tipsと言ったらforかなonかな、たぶんどっちでもいいよな、と思いつつ、語結合(コロケーション)を確かめるためにgoogleに入れてみた。

tips for

まで検索スロットに打ち込んだ。そこで即座に出てきた予測キーワード。

tips for taking online classes

すげーわgoogle、というかすげーわ世の中、何となくだけど。

2020/04/15

Leipzig (January 2001)




ドイツのクリスマス。一つ目の写真の向こうに見える建物はニコライ教会。ベルリンの壁が崩れた時には、市民のよりどころになっていたとか。ちなみにその時「ソ連」から派遣されてドレスデンで治安機関の指揮をとっていたKGB幹部が、今をときめくプーチン氏だったと。

最後のはオマケで、私の部屋に並べてあったドイツビールの空き缶を帰る時にまとめて撮影した。500cc缶が100円としなかったけれども、みんな美味だった。少し前に、日本国内の出張先でドイツレストランを見つけて、懐かしさに色んなビールを次々注文したらその日のホテル代並みの散財だったとさ(とほほ)。

2020/04/14

認知言語学の羽ばたき・認知言語学を紡ぐ・認知言語学を拓く

松本曜教授還暦記念論文集刊行会(編)2020『認知言語学の羽ばたき−−実証性の高い言語研究を目指して』開拓社

日本の認知言語学をリードしてきた松本曜氏(現・国立国語研究所)の還暦記念論文集。この分野の<現在>の重要な一角を俯瞰することができる。


この本の「巻頭言」は研究論文とはどうあるべきかについて簡潔に述べられているので、ぜひ参考にしてください。



森雄一 ・ 西村義樹・ 長谷川明香(編)2019『認知言語学を紡ぐ』くろしお出版
森雄一 ・ 西村義樹・ 長谷川明香(編)2019『認知言語学を拓く』くろしお出版

同じく日本の認知言語学をリードしてきた森雄一氏(成蹊大学)・西村義樹氏(東京大学)を始めとした第一線の研究者に加えて、長谷川明香氏たち若手研究者の論文も収めた研究論集二巻。認知言語学の<現在>のもう一つの空間を俯瞰することができる。



2020/04/09

講座・言語研究の革新と継承5

池上嘉彦・山梨正明(編)2020『認知言語学 I』ひつじ書房

名古屋大の秋田喜美氏と私で第6章「類像性」を共著。執筆者のメンバーと章立てを見ると、「よくこれだけ揃ったな」と感慨深い。

この本の企画自体はかなり前からで、曲折を経て今年の出版となった。しかし曲折してくれたおかげで(?)秋田氏とネタを練る時間がとれたのは幸いなり。

2020/04/08

Preparing for the remote class

【Scroll down for the English text】

履修生のみなさんへ:以下はリモート授業についての初歩的なメモ書きです。まず大学の公式サイトでオンライン授業についての情報を把握してください。SFC総合的な授業サポートページのほか、学生向けページFAQZoomマニュアルが特に役に立ちます
  • 第1回授業の直前に、その時点での履修登録者にSFC-SFSシステムから一斉メールを回します。お互いの「存在確認」から始めましょう。
  • 授業ではこのページと統合しているGoogleのアカウントを活用します。Driveでの資料配付、Hangoutによるサブ回線の確保、などに使う予定です。
  • PCで受講してください。MacでもWindowsでも(あるいはunixでも)標準的な仕様であればOKです。ほとんどの機種はマイク、スピーカー、カメラを内蔵しています。まずはそれらが使えるか確認してください。OFFにしてある場合は、利用可能な状態にするように。ちなみに私の作業場はこんな感じ
  • Zoomで接続すると、PCの内蔵カメラとマイクを通じて、擬似的な「対面」状況が発生します。少人数のクラスでは、可能な限りカメラをONにしてください。
  • PCのスピーカーが出す音声を、PC自体のマイクが拾ってしまい、それが音声出力になってループすることで、ハウリングやエコーが発生することがあります。これが何十という端末で同時に起きると大きなトラブルとなります。これを回避することはとても重要です。具体的には、音声をスピーカーでなくイヤホン端子から出すように切り替えることです。
  • PCは機種によって、イヤホンとマイクを搭載したヘッドセットに対応してないものがあります。自分のPCの「コントロールパネル」で使用可能なデバイスを確認できます。
  • PCの内蔵カメラは低解像度ですが、性能のよいものを用意する必要はありません。ただ、内蔵マイクは距離があると音を拾いにくくなるので、なるべくマイクの位置から離れないで話すクラスでの発言と同じように明瞭に話す、といった点に注意してください。外部マイクがあれば試してみてください。
  • 授業資料はメール添付による送信またはクラウド(Google DriveあるいはSFC-SFSの授業ページ)などの方法で、授業の規模や課題に合わせてアクセス可能となるようにします。私またはSAからのメッセージは必ず読むように(直接メール送信される場合、SFC-SFSシステムからの送信どちらも)



To my fellow students: Here are some non-technical memos on taking remote courses.  You should first learn the elements of Webex system from our university's official pages.  SFC Online Class Support Page gives a general introduction. Also, FAQ for students and Zoom manual are useful
  • Before the first class meeting, I will send an e-mail message to all class registrants. Let us start by confirming each other's presence in the world "out there". 
  • In my class I will also use a Google account that is specifically created for my remote courses. It will be used for distributing class materials via Drive and for reserving a secondary channel of communication via Hangout.
  • Use your PC when taking a remote course.  Either a Mac or a Windows machine (or maybe one running on unix) with a modern configuration will be OK. Most models have an internal microphone, a speaker, and a camera. You should first check if they are functioning properly. If any of the above devices is turned off, activate them. This is how my desktop looks.
  • Once you log into the Zoom system, you are in a virtual "face to face" situation through your PC's audio-visual devices. In small classes, turn your camera ON unless you desperately want not to. 
  • It often happens that the sound goes from speakers to microphone and makes the howling/echo noise. This becomes a serious problem if it happens on dozens of terminals at the same time. To reduce the howling/echo sound is very important. To do this, you have to use an earphone or a headset instead of speakers
  • Some PCs may not accept a headset which hosts both an earphone and a microphone. You can check the control panel of your PC to see which device can be used on your system. 
  • The internal camera of PCs is not hi-res, but you do not need a better one. But the internal microphone may not function well if you speak from a distance, so try to speak close to the microphone,  and speak up just like you do in the classroom.  If you have an external microphone, please try.
  • Class materials will be made accessible by either e-mail attachments or cloud services (Google Drive and SFC-SFS), depending on the size of the class and the task. Do not forget reading a message from the instructor or SA (send either directly or from the SFC-SFS system).  

ミニマリスト猫

収まり良すぎだろ


2020/04/04

棚卸しの日々

COVID-19対応のため卒業式はなく、SFCではビデオメッセージを有志が作ってアップロードという、仮想空間での送り出しとなった。自分はどうしようかと思いつつ、5分くらいならやってみるか、と。

そのついでに手持ち機材の棚卸しを始めた。ショボいなりにまあ出るわ出るわ(苦笑)。Macはインターフェイスがよく変わるから、色んな種類のコネクタがわらわらと現れた。

んで、機材。DATなぁ... MDももう使わないよなぁ。それ以前にカセットレコーダーも。ICレコーダーはマランツのがあるけど、ある意味オーバースペック。小型のは去年学生の要望に応じて研究室で買ったのがある。まあリモート授業は事前録音したものを流すわけではないから、レコーダーは気にしなくていいのか。しかしマイクは信頼度の高い方がいいよな。MDにつないでたピンマイクまだ使えるかなぁ。外部マイクはフォステックスのがあったな、あれコンデンサマイクだったよな、電源供給どうだっけ、ファンタム対応の機材うちにあったっけ、などとますます迷路に入り込んでいくのだった。

本当なら部屋の音の吸収を上げる工夫もしなくてはいけないのだが、そこまでは無理。本の壁が役に立ってくれることに期待しよう。

ちなみに卒業生のためのビデオメッセージはほぼ一発撮りのものをiMovieでちょこっとだけいじって作ったのだが、ついつい魔が差して自分の大学卒業アルバムを引っ張り出してしまった。ソロの顔写真に加えて、ゼミとクラブ(文連公認団体だった)の集合写真もあった。最近、とある全塾委員会で、どこか見覚えのある名前の人が普通部から委員で出てるな、と思っていたのだが、そういや三田の英文の同期だったわ、と卒アルで確認。こっちは記憶の棚卸しということで。

2020/04/02

Dubrovnik (September 2000)




アドリア海に浮かぶ、中世の趣を残す城郭都市。とにかく美しい。街も、海も。最初の二つは街中の写真。つるつるになった白い石畳の温もりが印象的だった。こんな狭い路地がたくさんあって、猫とにらめっこすることもしばしば。それに続くのは圧巻の夕暮れ。三つ目の写真はカメラがおかしいのではなくて、本当に夕陽を受けて丘がこんな色に染まるのだった。英語でash roseと形容する色があるけれど、まさにそれ。



旅行に出ると夕陽ばかり撮っているな。朝焼けも良いのだろうが、単に目がさめない(苦笑)。ここではホント、刻々と移ろう夕暮れの映像を狂ったように撮りまくっていた。

最後の写真は城郭の上から見た旧市街。この写真だと分かりにくいかもしれないが、1990年代のユーゴスラビア内戦(=分離独立戦争)の時には、この街も激しい攻撃にさらされたとのこと。潮風を受けて白茶けた煉瓦屋根は昔からのもの、まだ新しい赤屋根は戦後に修復したもの。砲撃に遭って破壊されたまま、再開業できない高級ホテルもあった。銃弾に穿たれたままの石塀も見た。

ちなみに、後に日本で人から聞いたところでは、ドゥブロブニクの街は「魔女の宅急便」のモデルとなったのだそうな。言われてみれば...という感じ。

レイン・レイン・阿修羅

少女漫画の題名みたいだ(w

やっとこ行ってきました。朝一のつもりが、少し電車が遅れて、前売りを持っていたからいいものの、チケット売り場にははや長蛇の列。けっこうな雨の中、入場待ちも「50分」とか出ていて、ひえ~と思ったけど、まあ20分くらいで入れた。「ファンクラブ」チケットをコンビニで買ってあったので、入り口では「バッジ」をもらった。机の中のどこかにあるはず。探り当てたら写真をアップしよう。

中も人多かったわ~。やっぱ諸々の仏像たちは、素晴らしい「フィギュア」だ。海洋堂の偉大なるご先祖様だ。何年か前に円空さんとかが展示された時も似たことを思ったけど。

でもって阿修羅。人は多かったけど、ご婦人方がほとんどだったので、成年男子(つーか中年、つーか初老)として並みの身長の私でも、まずまずよく見えた。真後ろからのアングルはお寺では見れないから、貴重である。三面どれもお顔が違うのは既知として、正面向かって右側のお顔、その横顔が素晴らしい。特に、そのお顔を真後ろから見たときの横顔、はふ~んとため息つきながら足をとめてしまった(整理の人が「前の二列は立ち止まらないでください」と絶叫してたけど、私は最後列だったからね)。で、横顔がどちらから見るかによって表情が違うのよね。その点では人間的とも言える。百億の愁いと千億の祈り、だな。

全体として非常に力の入った展示で、照明も文句なし。写真で見るとやや茶色が強くてくすんだ感じがするけど、今回の展示は光線は落としぎみなのに明るく浮き上がって見える感じだった。他の仏像なども、かつての金箔や赤系の塗装を浮かび上がらせるようなコントラストのはっきりした照明だった。

しかし、大昔の人の制作意図などわからんのだが、阿修羅を三面にして、腕も増やそうとしたのは、デザインのどの段階なんだろうな、と不思議に思ったわ。ボディーそのものは一人の体だし、腕や顔はバランスから言うと「後からつける気になった?」と思えなくもない。最初からああするつもりなら、腕の支持が安定するように、もっとボディーを分厚くつくるんじゃないのか?などと思ったわけ。いやまあ、途中から何か創造的情熱に燃えて、やむにやまれず三面にしちゃいました、とか妄想するほうがドラマチックじゃないですか。

後は、少し時間があったので、本館に行ってガンダーラとか中国から伝来した仏像の特別展示を見たり、新収品コーナーの掛け軸を見たりと、目の保養をして帰った。中国の書画については全然無知なんだけど、呉俊卿という人の書画に一目惚れ。

帰りに西洋のほうを見たら、ルーブル展に並んでる人の列もすごかったな。あっちもそろそろ終わりだしね。

再来週からは、渋谷の文化村で「だまし絵展」とやらがある。私の好きな絵描きの一人、アルチンボルトの作品が来るので、これはぜひぜひ行かねば。

(初出:May 2009)

認知言語学・文献案内128

だいぶ前に作って、ここしばらくアップデートしていなかった。それでも何かの参考にはなるだろうということで。次に改訂するとしたら、日本語の文献を増やすことになるだろう。

シャーペン談義




まあ趣味の日記なんてのは自分のための偏執的なメモなので、些末なことでも書き留めておこうということで。

学生の頃、たしか渋谷の東急ハンズでステッドラーの製図用シャーペンを買った。これが大当たり、以後かなり長い間愛用した。ボディーの色(上半分のプラ部分)にちなんで、これを「青の一号」と呼ぶ。だが、プラ部分が劣化したのか、落として欠けてしまった。接着剤で補修すればよかったのだが、また買えばいいやと思って処分したのが運の尽き、10年以上経つと、もう同じのは売ってないのね。もちろんステッドラーは変わらず製図用品を出しているのだが、デザインも素材も変わってしまい、ちょっと「後継」として買う気にはならなかった。

その後、ドイツに1年いたときも、文具の置いてある店をあちこちでのぞいてはみたのだが、見つからず。というか、日本の都市部にあるような充実した品揃えの文具店はドイツでもあまり存在しないのだった。

しかし転機は訪れた。アメリカにしばらく住んだとき、画材屋兼文具店があって、そこで素晴らしいシャーペンを発見。これが愛用していたステッドラーの生まれ変わりじゃなかろうかというくらい、デザインが劇似だった。ボディーの色は違うが、大きさや持った感じがコピーじゃないかというくらいそっくり。以後、こいつが最愛の一本となる。これを「黒の二号」と呼ぶ。

だが残念ながら終わりは来る。筆記具、特にシャーペンはは下に落とすとほぼ確実にペン先から一直線に落ちる。でもって芯のガード部分が歪むわけだ。一度目、二度目くらいは注意深く押しつければもとに戻るが、工具もないし完全に戻るわけでなく、どうしても芯の出入りが悪くなる。それでも、使えないわけではないので、黒の二号も第一線を退役してときどきいじるくらいではあった。これを買ったときは学生時代ほど貧乏ではないから、どうせなら何本か押さえに買っておけばよかったのだが、そこまで気が回らなかったのが残念。日本で同じ製品がないか探したのだが見つからなかった。何より、使って少し経つと社名や製品番号のプリントが剥げ落ちて消えてしまったので、どこの会社からすらもはや不明となってしまった。

それから後は、ロートリングのシャーペンをメインにしていたが、最近はぺんてるの製品も気に入っている。この値段でこの使い勝手の良さは素晴らしい。これはさすがに2-3本押さえに買った。これが「グレーの三号」である。

つい最近、ふと思い立って、アメリカのアマゾン見れば黒の二号の正体がわかるんじゃ?ということで検索してみた。mechanical pencilで入れるとまずは何千と出るわけだが、0.5mmとか製図用=draftingとかしぼるとけっこう減ってきて、百のオーダーまで減ったところを片端からブラウズしたら、ありました。Alvinという会社で、まだ販売中。さっそく3本ほど即買いした(最初は興奮の余り6本にしたが、少し経ったら経済観念が帰ってきた)。1本10ドルもしないから安い買い物である。

このAlvinという会社、アメリカの会社だそうで、本社の公式サイトを見ると、日本での販売網はどうもなさそう。会社の沿革を見ると、第二次大戦中にドイツ戦線に派遣されていた創業者が、終戦後もしばらくドイツに残り、当地の文房具の質の良さに感動して、それから最初は小規模の輸入代行、後に自社でドイツ製に匹敵する良質な文房具を生産するようになったのだそうな。なるほど、これで腑に落ちた。青の一号と黒の二号が非常に似ているのは会社の方向性が理由か。

これに気をよくして、青の一号たるステッドラーもネット経由なら手に入るかも?と思って検索開始。あれこれワードを組み合わせて、ついに型番の特定までできた。アマゾンはさすがに日本、アメリカ、ドイツどれにも掲載がなかったが、日本だと骨董文房具の通販サイトがあって、過去には取扱いがあったことがわかる。しかし保存のよいもので7000円とか、マジか。じゃ海外はどうだろ、と思って見ていたら、ドイツのeBayに出品者がいることを発見した。お値段は15ユーロ。即買いだろ、これ。

だがeBayの利用にはまずアカウントを作らねばならない。そして支払いはPayPalだって?それはちょっと、いやそれ以前にサイトがドイツ語でしか書かれてなくて、英語に切り替えられない。辞書を引き引き、google翻訳に手伝ってもらいながら、とりあえず状況把握は何とかなった。いやー、google翻訳偉大だわ。日本語と英語だとおかしなミスもしょっちゅうあるが、ドイツ語と英語だとかなりスムーズかつ正確な文章が出てくる。とりあえず、この出品者にはメッセージを送ることから始めることになっていたので、やむをえず最初の数行だけうさんくささ全開のドイツ語で「ワタシ、日本人。ビンテージのシャーペン見つけて嬉しいヨ 買いたいヨ 後は英語でよろしく」なんてメッセージを送ったのだった。

結果、すぐにちゃんとした英語で返信。「実は昨日もう一人たまたま買いたいという人が出てきて、そいつは30ユーロ出すそうだよ」だそうで。ほほう、2年近く公開されていてどこからも買い手がつかなかった品物が、同時に突然2人から言い寄られるというのも、なかなかベタな設定だなぁと思ったよ。でもためしに「40ユーロまでなら出すから、発送は受取人払いで」とレスしたところ、あっという間におけーとの返事。うーん、やっぱもう一人の落札希望者は実在しないか。しかし送料には国際小包が20ユーロとか何とか、そうすると合計60ユーロに、海外送金手数料が数千円?なんて考えると、こりゃ高くつくもんだ。

でもって本日、アマゾンの予定配達日よりも数日早く、黒の二号が朝に届いた。明けてみれば、まごう事なき黒の二号が3本入ってきた。んじゃ、大枚はたいてドイツのeBayまで青の一号を注文することもないか。しゃんしゃん。

追記
 「青の一号」の正式の型番 Staedtler micrograph F0.5 77015
 「黒の二号」の正式の型番 Alvin Draft/matic No. DM05

後者は日本のアマゾンでも掲載されていたな。でも2680円は高いと思った。

(初出:January 2020)

Moscow (February 2002)




2月のロシア。モスクワの郊外にて。とにかく、雪。東京育ちにとっては、空気が凍てつくという感覚をしみじみ味った。冬山のスキーに行ったこともないので、氷の結晶がキラキラと空気中に踊っているの(<日本語を忘れた。ダイヤモンドダストだっけ?)を初めて見た。緯度が高いのか空気のせいか、理由はわからないけど光が蒼い。一つ目の写真はロシア文字を映したかっただけ。ちなみに、この雪原は陸ではなく、氷結した湖なのである。 次は白樺と空の色のコントラストが面白そうだったので。そのまた次は夕暮れ。




モスクワ郊外の歴史あるシナゴーグ(ユダヤ教会)に行った。この日は滞在中最も寒くてマイナス15度。寒さの「質感」が違う。それでも猫は肥えている。最後の写真は別の日の夕暮れ。雲は重いのだけれど、なぜか太陽がくっきりと見えるのは不思議なもの。

この年は例外的な暖冬だったそうで、シナゴーグに行った日が平年並みだったくらいで、その後は0度くらいまで気温が「上がった」。地元の人も、2月というのに雪が溶けてぬかるんだ街並みを見るのは初めてだとのこと。