同社から出ている「最新言語学・英語学シリーズ」の第12巻。 このシリーズ、全22巻として企画されている。この種の企画は最終巻がなかなか出なかったり、途中の巻がなぜか遅れたりで、気がつくと完結までに10年を軽く越えて…などよくあるのだが、このシリーズに関しては堅調に出ている。目出度いことである。
言語類型論という、裾野が広くなおかつ進展も速い分野の概説を書くことは容易ではないが、本書はこれまでの入門書で取り上げられてきたスタンダードなトピックと、著者たちの独自の貢献(堀江氏は日韓対照および従属構造の研究、秋田氏はオノマトペおよび移動表現、北野氏は談話から見た文法)と、両方のバランスのよくとれたものとなっている。