2020/04/02

レイン・レイン・阿修羅

少女漫画の題名みたいだ(w

やっとこ行ってきました。朝一のつもりが、少し電車が遅れて、前売りを持っていたからいいものの、チケット売り場にははや長蛇の列。けっこうな雨の中、入場待ちも「50分」とか出ていて、ひえ~と思ったけど、まあ20分くらいで入れた。「ファンクラブ」チケットをコンビニで買ってあったので、入り口では「バッジ」をもらった。机の中のどこかにあるはず。探り当てたら写真をアップしよう。

中も人多かったわ~。やっぱ諸々の仏像たちは、素晴らしい「フィギュア」だ。海洋堂の偉大なるご先祖様だ。何年か前に円空さんとかが展示された時も似たことを思ったけど。

でもって阿修羅。人は多かったけど、ご婦人方がほとんどだったので、成年男子(つーか中年、つーか初老)として並みの身長の私でも、まずまずよく見えた。真後ろからのアングルはお寺では見れないから、貴重である。三面どれもお顔が違うのは既知として、正面向かって右側のお顔、その横顔が素晴らしい。特に、そのお顔を真後ろから見たときの横顔、はふ~んとため息つきながら足をとめてしまった(整理の人が「前の二列は立ち止まらないでください」と絶叫してたけど、私は最後列だったからね)。で、横顔がどちらから見るかによって表情が違うのよね。その点では人間的とも言える。百億の愁いと千億の祈り、だな。

全体として非常に力の入った展示で、照明も文句なし。写真で見るとやや茶色が強くてくすんだ感じがするけど、今回の展示は光線は落としぎみなのに明るく浮き上がって見える感じだった。他の仏像なども、かつての金箔や赤系の塗装を浮かび上がらせるようなコントラストのはっきりした照明だった。

しかし、大昔の人の制作意図などわからんのだが、阿修羅を三面にして、腕も増やそうとしたのは、デザインのどの段階なんだろうな、と不思議に思ったわ。ボディーそのものは一人の体だし、腕や顔はバランスから言うと「後からつける気になった?」と思えなくもない。最初からああするつもりなら、腕の支持が安定するように、もっとボディーを分厚くつくるんじゃないのか?などと思ったわけ。いやまあ、途中から何か創造的情熱に燃えて、やむにやまれず三面にしちゃいました、とか妄想するほうがドラマチックじゃないですか。

後は、少し時間があったので、本館に行ってガンダーラとか中国から伝来した仏像の特別展示を見たり、新収品コーナーの掛け軸を見たりと、目の保養をして帰った。中国の書画については全然無知なんだけど、呉俊卿という人の書画に一目惚れ。

帰りに西洋のほうを見たら、ルーブル展に並んでる人の列もすごかったな。あっちもそろそろ終わりだしね。

再来週からは、渋谷の文化村で「だまし絵展」とやらがある。私の好きな絵描きの一人、アルチンボルトの作品が来るので、これはぜひぜひ行かねば。

(初出:May 2009)