2022/05/25

アンブロークンアロー

神林長平 2009『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』早川書房

著者のライフワークとなった戦闘妖精・雪風、第三部。出て即購入したが、完結ではないので本棚で寝かせていたところ、この4月に第四部『アグレッサーズ』が出た。さあどうしよう、と思案したが、最初のページを開いたらもう止まらない。

 


第一部の紹介をどこかのSNSだかブログだかで書いた時は「友よ、これがSFだ」などというベタな言葉を発したが、今もそう思う。SFの定義については、プログレの定義と同じくらい百家争鳴(というか偏執きわまるバトル)が日夜繰り広げられている。一つ自分で気に入っているのが、SF=speculative fabulationとアクロニムを読み替えたやつ。神林長平の作品はその極みだ。戦闘妖精・雪風は第一部から「他者」と「機械」がキーワードだったが、やがてそこに「絆」がからみ、第三部ではついに「言語」と「意識」がFAF特殊戦の最前線に投入される。

続く第四部の最初のページを開くのは、今なのか、それとも第五部が出てからなのか、それが問題だ。