2020/04/28

Taipei (June 2005)





台北に行った。とはいえ学会で市街地から離れたところに滞在したので、それほど面白い写真もとれなかった。一つ目の写真は仕事で泊まった施設の庭にあったオブジェ。「太極」という題名で、構えもそれらしい。その次の写真は「夜市」。日本の「お祭り」の大規模なものっぽいのだが、これが毎日ずっとだからね。すごい熱気だった(要するに暑苦しいわけだが)。日本モノも色々流入している。夜市では、中国茶を土産に買った。けっこうな散財だったが、濃く出したプーアル茶の独特の臭みはくせになる。アニメキャラのフィギュア類を囲む好朋友にも笑った。しかし、マンマ日本語のガチャポンやらトレカが置いてあったりしたから、日本直輸入かしらん。


あと、故宮博物館にも行った。現在、改修中とて、コレクションのほんの一部しか展示されていなかったが、何千年前の祭祀道具とか見ると、感慨は深い。もっとも、ものによっては、今でもアクセサリーとして通用しそうである。そう言えば、前に他のところで古代ローマ時代(2000年前)の装飾具を見たが、その時も指輪や首飾りなど、自分のようにそっち方面に趣味のない人間からすると、「現代と同じやん」と思った。

宿舎ではケーブルTVが入っていて、日本の番組もやっていた。ちらりとだけ街中のCDショップをのぞくと、予想どおり日本もののコーナーがあった。中身は日本と同じだが、ジャケットだけ中国語、すなわち全部漢字。故に浜崎あゆみは「浜崎歩」となり(適当でもとにかく漢字をあてる)、タッキーは単に「滝」になっていて、ちと脱力。ちなみにモーニング娘は「早安少女組」である。「早安」は中国語で「おはよう」ですな。これは何となく可愛い。



クレジットカードのパンフには、日本と同じく人気キャラがカードに描かれている。んで、そうですか、鉄腕アトムが「原子小金剛」ですか(微笑)。別のページで紹介されているウランちゃんが「小蘭」つーのは芸が細かい。ちなみにコバルト兄さんはいなかった。あと、何か話のタネはないかと思い、帰り際にホビー誌を買った。もっと濃い、萌え系のやつやら、同人誌っぽいやつやら、置いてあったのだが、今回はやめといた。ちなみに、モビルスーツのお名前をファーストガンダムに限って列挙すると、鋼弾、薩克、徳姆、亞凱、傑爾古格、古夫。ちなみに、三倍速の赤い人は「夏亞」であった。同じ中国語でも、大陸版は違うかも。

2020/04/20

認知言語学オンラインリソース

【Martin Hilper'ts YouTube lectures】
認知・機能言語学の分野でネットで見られる動画はどんなのがあるだろう、と調べてみた。が、残念ながら体系的な講義になっているものはあまり見つからなかった。その中で「これは!」というのがMartin Hilpert氏のYouTube動画。下記は個人チャンネルのURL:

https://www.youtube.com/channel/UCaKHle4z5x4ECztKj38qj-A

この中にA Course in Cognitive Linguisticsというシリーズがある(全10本)。1本が20分ちょっとから40分越えのものまで、長さに違いはあるが、テーマごとにまとまっている。他にも、社会言語学、英語史、構文理論と豊富なメニューがそろっている。ぜひぜひチャンネル登録を。Hilpert氏は昨年日本で開催された国際認知言語学会の招待講演者の一人である。若手と言える世代でありながら、研究分野の広さ、研究の水準と分量、すべてにおいて最も注目すべき認知言語学者と言ってよい。



【Vyv Evans' intro essay】
認知言語学の読みやすい紹介はないかと探していたら、Vyv Evansの記事がPsychology Todayというサイトにあった。

https://www.psychologytoday.com/us/blog/language-in-the-mind/201907/what-is-cognitive-linguistics

この記事には他にもリンクがあり、役に立つ。著者は「(日本の)入門授業でこれをどうやって使えと?」と突っ込みたくなるような超分厚い入門書のほか、専門分野の論文も多数出している。



【George Lakoff's cognitive semantics and more】
Lakoff関連の動画はかなりたくさんある。下記の一つ目は1980の本の内容の要点を一般向けに解説したもの。二つ目はLakoff自身による、認知科学全般にわたる本格的な講演。三つ目は政治活動家としてのLakoffを見ることができる。題名からもわかるとおり、強烈な共和党批判者である。とにかく話がうまいので、英語の勉強にもなる。

Metaphors We Live By: George Lakoff and Mark Johnson
(A re-telling of Lakoff & Johnson's pathbreaking 1980 book; short and easy to follow)

The Neuroscience of Language and Thought, Dr. George Lakoff Professor of Linguistics
(From Linus Pauling Memorial Lecture Series)

George Lakoff: Don't Think of an Elephant
(Lakoff as a political activist; note that "elephant" refers to the Republican Party, of which Lakoff is a harsh critic)

【BBC Radio 4 Program (Nov. 25, 2010)】
メタファー研究の歴史は古い(西洋では古代ギリシャから)。BBCの教養番組では興味深いトークがいくつもあって、これはその一つ。In Our Timeをブックマークしてあれこれ聴いてみよう。

A History of Metaphor
(Melvyn Bragg and his guests discuss the history of metaphor - the device of using one thing to describe another.)


2020/04/15

Leipzig (January 2001)




ドイツのクリスマス。一つ目の写真の向こうに見える建物はニコライ教会。ベルリンの壁が崩れた時には、市民のよりどころになっていたとか。ちなみにその時「ソ連」から派遣されてドレスデンで治安機関の指揮をとっていたKGB幹部が、今をときめくプーチン氏だったと。

最後のはオマケで、私の部屋に並べてあったドイツビールの空き缶を帰る時にまとめて撮影した。500cc缶が100円としなかったけれども、みんな美味だった。少し前に、日本国内の出張先でドイツレストランを見つけて、懐かしさに色んなビールを次々注文したらその日のホテル代並みの散財だったとさ(とほほ)。

2020/04/14

認知言語学の羽ばたき・認知言語学を紡ぐ・認知言語学を拓く

松本曜教授還暦記念論文集刊行会(編)2020『認知言語学の羽ばたき−−実証性の高い言語研究を目指して』開拓社

日本の認知言語学をリードしてきた松本曜氏(現・国立国語研究所)の還暦記念論文集。この分野の<現在>の重要な一角を俯瞰することができる。


この本の「巻頭言」は研究論文とはどうあるべきかについて簡潔に述べられているので、ぜひ参考にしてください。



森雄一 ・ 西村義樹・ 長谷川明香(編)2019『認知言語学を紡ぐ』くろしお出版
森雄一 ・ 西村義樹・ 長谷川明香(編)2019『認知言語学を拓く』くろしお出版

同じく日本の認知言語学をリードしてきた森雄一氏(成蹊大学)・西村義樹氏(東京大学)を始めとした第一線の研究者に加えて、長谷川明香氏たち若手研究者の論文も収めた研究論集二巻。認知言語学の<現在>のもう一つの空間を俯瞰することができる。



2020/04/09

講座・言語研究の革新と継承5

池上嘉彦・山梨正明(編)2020『認知言語学 I』ひつじ書房

名古屋大の秋田喜美氏と私で第6章「類像性」を共著。執筆者のメンバーと章立てを見ると、「よくこれだけ揃ったな」と感慨深い。

この本の企画自体はかなり前からで、曲折を経て今年の出版となった。しかし曲折してくれたおかげで(?)秋田氏とネタを練る時間がとれたのは幸いなり。

2020/04/08

Preparing for the remote class

【Scroll down for the English text】

履修生のみなさんへ:以下はリモート授業についての初歩的なメモ書きです。まず大学の公式サイトでオンライン授業についての情報を把握してください。SFC総合的な授業サポートページのほか、学生向けページFAQZoomマニュアルが特に役に立ちます
  • 第1回授業の直前に、その時点での履修登録者にSFC-SFSシステムから一斉メールを回します。お互いの「存在確認」から始めましょう。
  • 授業ではこのページと統合しているGoogleのアカウントを活用します。Driveでの資料配付、Hangoutによるサブ回線の確保、などに使う予定です。
  • PCで受講してください。MacでもWindowsでも(あるいはunixでも)標準的な仕様であればOKです。ほとんどの機種はマイク、スピーカー、カメラを内蔵しています。まずはそれらが使えるか確認してください。OFFにしてある場合は、利用可能な状態にするように。ちなみに私の作業場はこんな感じ
  • Zoomで接続すると、PCの内蔵カメラとマイクを通じて、擬似的な「対面」状況が発生します。少人数のクラスでは、可能な限りカメラをONにしてください。
  • PCのスピーカーが出す音声を、PC自体のマイクが拾ってしまい、それが音声出力になってループすることで、ハウリングやエコーが発生することがあります。これが何十という端末で同時に起きると大きなトラブルとなります。これを回避することはとても重要です。具体的には、音声をスピーカーでなくイヤホン端子から出すように切り替えることです。
  • PCは機種によって、イヤホンとマイクを搭載したヘッドセットに対応してないものがあります。自分のPCの「コントロールパネル」で使用可能なデバイスを確認できます。
  • PCの内蔵カメラは低解像度ですが、性能のよいものを用意する必要はありません。ただ、内蔵マイクは距離があると音を拾いにくくなるので、なるべくマイクの位置から離れないで話すクラスでの発言と同じように明瞭に話す、といった点に注意してください。外部マイクがあれば試してみてください。
  • 授業資料はメール添付による送信またはクラウド(Google DriveあるいはSFC-SFSの授業ページ)などの方法で、授業の規模や課題に合わせてアクセス可能となるようにします。私またはSAからのメッセージは必ず読むように(直接メール送信される場合、SFC-SFSシステムからの送信どちらも)



To my fellow students: Here are some non-technical memos on taking remote courses.  You should first learn the elements of Webex system from our university's official pages.  SFC Online Class Support Page gives a general introduction. Also, FAQ for students and Zoom manual are useful
  • Before the first class meeting, I will send an e-mail message to all class registrants. Let us start by confirming each other's presence in the world "out there". 
  • In my class I will also use a Google account that is specifically created for my remote courses. It will be used for distributing class materials via Drive and for reserving a secondary channel of communication via Hangout.
  • Use your PC when taking a remote course.  Either a Mac or a Windows machine (or maybe one running on unix) with a modern configuration will be OK. Most models have an internal microphone, a speaker, and a camera. You should first check if they are functioning properly. If any of the above devices is turned off, activate them. This is how my desktop looks.
  • Once you log into the Zoom system, you are in a virtual "face to face" situation through your PC's audio-visual devices. In small classes, turn your camera ON unless you desperately want not to. 
  • It often happens that the sound goes from speakers to microphone and makes the howling/echo noise. This becomes a serious problem if it happens on dozens of terminals at the same time. To reduce the howling/echo sound is very important. To do this, you have to use an earphone or a headset instead of speakers
  • Some PCs may not accept a headset which hosts both an earphone and a microphone. You can check the control panel of your PC to see which device can be used on your system. 
  • The internal camera of PCs is not hi-res, but you do not need a better one. But the internal microphone may not function well if you speak from a distance, so try to speak close to the microphone,  and speak up just like you do in the classroom.  If you have an external microphone, please try.
  • Class materials will be made accessible by either e-mail attachments or cloud services (Google Drive and SFC-SFS), depending on the size of the class and the task. Do not forget reading a message from the instructor or SA (send either directly or from the SFC-SFS system).  

ミニマリスト猫

収まり良すぎだろ


2020/04/04

棚卸しの日々

COVID-19対応のため卒業式はなく、SFCではビデオメッセージを有志が作ってアップロードという、仮想空間での送り出しとなった。自分はどうしようかと思いつつ、5分くらいならやってみるか、と。

そのついでに手持ち機材の棚卸しを始めた。ショボいなりにまあ出るわ出るわ(苦笑)。Macはインターフェイスがよく変わるから、色んな種類のコネクタがわらわらと現れた。

んで、機材。DATなぁ... MDももう使わないよなぁ。それ以前にカセットレコーダーも。ICレコーダーはマランツのがあるけど、ある意味オーバースペック。小型のは去年学生の要望に応じて研究室で買ったのがある。まあリモート授業は事前録音したものを流すわけではないから、レコーダーは気にしなくていいのか。しかしマイクは信頼度の高い方がいいよな。MDにつないでたピンマイクまだ使えるかなぁ。外部マイクはフォステックスのがあったな、あれコンデンサマイクだったよな、電源供給どうだっけ、ファンタム対応の機材うちにあったっけ、などとますます迷路に入り込んでいくのだった。

本当なら部屋の音の吸収を上げる工夫もしなくてはいけないのだが、そこまでは無理。本の壁が役に立ってくれることに期待しよう。

ちなみに卒業生のためのビデオメッセージはほぼ一発撮りのものをiMovieでちょこっとだけいじって作ったのだが、ついつい魔が差して自分の大学卒業アルバムを引っ張り出してしまった。ソロの顔写真に加えて、ゼミとクラブ(文連公認団体だった)の集合写真もあった。最近、とある全塾委員会で、どこか見覚えのある名前の人が普通部から委員で出てるな、と思っていたのだが、そういや三田の英文の同期だったわ、と卒アルで確認。こっちは記憶の棚卸しということで。

2020/04/02

Dubrovnik (September 2000)




アドリア海に浮かぶ、中世の趣を残す城郭都市。とにかく美しい。街も、海も。最初の二つは街中の写真。つるつるになった白い石畳の温もりが印象的だった。こんな狭い路地がたくさんあって、猫とにらめっこすることもしばしば。それに続くのは圧巻の夕暮れ。三つ目の写真はカメラがおかしいのではなくて、本当に夕陽を受けて丘がこんな色に染まるのだった。英語でash roseと形容する色があるけれど、まさにそれ。



旅行に出ると夕陽ばかり撮っているな。朝焼けも良いのだろうが、単に目がさめない(苦笑)。ここではホント、刻々と移ろう夕暮れの映像を狂ったように撮りまくっていた。

最後の写真は城郭の上から見た旧市街。この写真だと分かりにくいかもしれないが、1990年代のユーゴスラビア内戦(=分離独立戦争)の時には、この街も激しい攻撃にさらされたとのこと。潮風を受けて白茶けた煉瓦屋根は昔からのもの、まだ新しい赤屋根は戦後に修復したもの。砲撃に遭って破壊されたまま、再開業できない高級ホテルもあった。銃弾に穿たれたままの石塀も見た。

ちなみに、後に日本で人から聞いたところでは、ドゥブロブニクの街は「魔女の宅急便」のモデルとなったのだそうな。言われてみれば...という感じ。

認知言語学・文献案内128

だいぶ前に作って、ここしばらくアップデートしていなかった。それでも何かの参考にはなるだろうということで。次に改訂するとしたら、日本語の文献を増やすことになるだろう。

Moscow (February 2002)




2月のロシア。モスクワの郊外にて。とにかく、雪。東京育ちにとっては、空気が凍てつくという感覚をしみじみ味った。冬山のスキーに行ったこともないので、氷の結晶がキラキラと空気中に踊っているの(<日本語を忘れた。ダイヤモンドダストだっけ?)を初めて見た。緯度が高いのか空気のせいか、理由はわからないけど光が蒼い。一つ目の写真はロシア文字を映したかっただけ。ちなみに、この雪原は陸ではなく、氷結した湖なのである。 次は白樺と空の色のコントラストが面白そうだったので。そのまた次は夕暮れ。




モスクワ郊外の歴史あるシナゴーグ(ユダヤ教会)に行った。この日は滞在中最も寒くてマイナス15度。寒さの「質感」が違う。それでも猫は肥えている。最後の写真は別の日の夕暮れ。雲は重いのだけれど、なぜか太陽がくっきりと見えるのは不思議なもの。

この年は例外的な暖冬だったそうで、シナゴーグに行った日が平年並みだったくらいで、その後は0度くらいまで気温が「上がった」。地元の人も、2月というのに雪が溶けてぬかるんだ街並みを見るのは初めてだとのこと。